地元のお祭り

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俗に言う「新興住宅地」に住んでいると、人間がどんなに古くなっても、地域的には「新住民」である。

このあたりも「旧住民」が住むエリアには、村の鎮守の神様がいて、自分たちの御神輿があり、それらを核にしたお祭りがある。一方、「新住民」の私には鎮守の森もなければ、御神輿もないが、なぜか「地元のお祭り」と思えるお祭りはある。 旧住民の鎮守の森の神様のお祭りである「ちゃんちゃん(奈良ではお祭りのことをちゃんちゃん、祇園祭りのこんちきちんみたいなもんですね)」を借りて、勝手に「地元のお祭り」と認識しているだけだが。

鎮守の森では小さな神事が行われ、森の周辺では屋台が並び、花火があがる。小学生の頃は、時には姉と、時には友人と、お祭りに繰り出し屋台で買い食いをして、花火を見るのが常だったし、大阪の学校に通うようになってからは友人達を呼びつけて鎮守の森近くに出かけたり、クーラーの効いた自宅から花火を眺める年もあった。今もお祭りの日に関西にいる年は何らかの形で「参加」している。同じようなお祭りは同市のなかに複数存在し、自宅から花火も見えるが、私にとって地元のお祭りは「野口のちゃんちゃん」のみ。なぜか?

私の通っていた小学校区内で行われるお祭りだったので、小学校に通っていた頃は学校も「お祭り」モードで、お祭りに出かける際の注意事項がさらっと話されていたこと、毎年お祭りに行くようになったこと、こんな小さな事実を積み重ねることでいつしか、「野口のちゃんちゃん」だけが「地元のお祭り」になった。

この「地元の」お祭り、 ありがたいことに、数百世帯の小さな村が支えるお祭りなのにそれなりの規模の花火があがる。靴下で財をなした会社があるおかげ。非常にありがたいハナシではあるが、風の噂に「今年は財政難で花火開催があやしいらしいよ」なんてハナシを聞く日が来たら(基本、来ないで欲しいと願っているが、もちろん)、氏子ではない周辺地域のわれわれも、「花火奉納寄付」とかするかもなーと思いつつ、「たーまやー、かーぎやー」と意味なくつぶやいてみる今年の「地元のお祭り」であった。

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