町田康似、男前のクールな知人がいる。彼は2歳。
ある朝、彼は一人静かに1階リビングでペンを片手に模様付けをして機嫌良く遊んでいた。模様をつけていたのは5つ年上のお姉ちゃんがサンタクロースにもらったばかりのベビーピンク・ブルーのまっさらなごまちゃんのぬいぐるみ。 ごまちゃんの背中には「うり坊」の如く黒マジックの縞模様。 そうだよね、ごまちゃんの背中に模様がなくてかわいそうだと思ったんだよね。 やけに静かでおりこうさんな吾が息子と思いながら2階から降りてきたお母さん、「うり坊」に変身したごまちゃんの姿に、長女をおもんばかって小さく悲鳴。
「ごまちゃんうり坊変身事件」を知らず、一緒にお絵かきできれば楽しいかと、脳天気な私は2歳の町田康の家にマジック持参で遊びに行く。はじめはご機嫌で紙に模様付け。しばらくすると、ペン先があらぬ方向(自分の胸元)に向いているではないか。 そうね、トレーナーには模様がなくて寂しいね、模様付けた方が楽しいかとおもったんだよね。 横にいたお母さん、洗濯の手間に思いを馳せて小さく悲鳴。
まったく実害のない私は、良い意味で周囲を無視する2歳の素直な町田康に感じ入り、ペンの蓋に模様を書いてもらってご満悦。 母はそうはいかんなぁ。
うり坊に変身したごまちゃんは、石けんでごしごしこすられ、半日ほどでまっさらごまちゃんに逆戻り。今は昔の笑い話。 うり坊に身をやつしたごまちゃんを写真に残しておけばよかったと語る2歳の町田康の母の気持で三十一文字。
二歳児の ユニークっぷり 残したい と思うは全て 片づいたあと


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