igu伝展の準備:いざ、印刷!
igu伝作品の原画とそのスキャン画像を見比べてきたが、原画を見た時のこころ震える印象は、残念ながらスキャン画像では得られなかった。スキャン画像でもフォルムの印象は十分に伝わるので「かわいい」「素敵」という評価をいただいていたものの、こころ震える、にはいたらないのが実状。美術館のポストカードを印刷しているお店を訪ねてみたこともあったが、残念ながら、igu伝のアクリルガッシュで描かれた「あか」「あお」「みどり」や、作品の立体感を伝えるための適切な方法とは思えなかった。
igu伝作品をどのようにみなさまにご覧にいれようかと考えあぐねていたら、西道の昔なじみの方がお知恵を貸してくださった。「色校正機で印刷してみれば」と。
というわけで、igu伝作品を色校正機で印刷すべく、岡山にある内外プロセスさんを訪ねた。
岡山駅から車で20分ほどの内外プロセスさんにおじゃますると、机の上にはすでに印刷されたigu伝作品があるではないか。前夜に試刷をしてくださったとのことで、一枚ずつ原画と見比べながら「赤のにごりをとる」「この部分の色を濃く」「ピンクっぽい肌を、もう少し黄色味がかった肌色に」などなど、色調整の指示があれこれ書き込まれていた。試刷とはいえ、これまでに見たigu伝作品の印刷よりも色とニュアンスが原画に近い。原画を見て「カレイドインク」という色再現性の高いインクを使って印刷をしてくださったらしい。通常インクの試刷も見たが、確かに、カレイドインクの方があきらかに作品に奥行きを感じる。
試刷に書き込まれた色調整の確認後、印刷準備をしてくださり、印刷の現場を拝見することに。
色校正機は、本来、本機である印刷機にかける前に色の調整をするための印刷機であるため、試刷をしながら色の調整ができるのが特徴だそう。色校正機に担当の方がはりつき、一枚ずつ刷り上がりと色調整指示を見比べながら、インク量を調整する。インクが少なければ足すし、インクの量が多ければ印刷機に紙を入れてインクを吸わせ、インク量を減らす。台に載せられた試刷第2版をじいっと見ていると、確かに濁っていた赤が少しずつ明るくなっていくし、肌色が黄色味がかった色に変わっていく。私が試刷第2版に釘付けになっているのをよそに、紙に印刷された色見本の帯をほんの1秒見比べることで、「これはダメ」とか「これでOK」と瞬時に判断されていく。あとでお聞きすると、色見本のグレーの部分が目の記憶として頭のなかに色が焼き付いていて、その記憶とのズレは瞬時に判断できるらしい。


印刷機という名称から受ける印象とは異なり、色校正機は私には大きな「版画機」のように見えたた。下には4つの色をのせるための版と、上にはインクを吸わせるロールがあり、上下が右から左に大きく動くと、igu伝が刷り上がってくる。まるで板木の上をばれんでなぞっているよう。どんな風にインクののせるかはばれんを動かす人次第であるのと同様に、インクの調整は全て人次第。これを手技と言わずしてなんと表現できようか。
iguちゃんの「あかいろとでこぼこ」、内外プロセスさんの手技によって再現されようとしている。
5月に大阪新町で開催されるigu伝展に向けて、色々な方の助けを借りて、着々と準備中。
コメントする