伝紋スタッフブログVol.6「いい空間はいい空間の中から生まれる」
今回は、展示空間のデザインをしたスペースチーム5人の座談会の模様をお届けします。
スペースチームは、美大の4年生でスペースデザインを専攻されてるヨシダエリカさんを中心に、3年生のコタニガワハルカさん、ナカツカクミコさん、ニシノシュウヘイさん、フクイノゾミさんからなる個性豊かなチームです。
リーダーのヨシダさんは、3年生の授業でメンバーを募集するところから始めたそうです。まずはそのあたりのお話から。
ヨシダ: 大学のスペースデザインの先生の授業におじゃまして、企画に参加したい人を募りました。その授業にナカツカさんがいて、彼女とは前から知り合いだったこともあって「あたしやります!」って言ってくれたので参加してもらうことになりました。その後他のメンバーも集まってくれました。
編: メンバーの方々はどういった動機で参加されたのですか?
フクイ: うちは短大からの3年次編入なんです。短大では、こういう授業以外での活動とかがほんまに全くなかったので、これから就職する時にこういう活動していた方が、自分をアピールできるポイントになるし、自分の経験にもなるなと思って。大学の雰囲気に触れてみたり、編入で友達も少ないからこういう場でちょっと輪を広げられたらいいなという感じで参加しました。
ナカツカ: うちは、やってみたかったから!最初企画自体はどういうものかが全然分からなかったんです。でもうちは、大学生活をよりよい4年間にしたいと思っていて、色んな事をしたかったんです。とにかく「やってみませんか?」って言われたものは、ちょっと興味が湧いたら、やろうとしてきたので今回参加しました。
ニシノ: 僕はただ単に、普通に1年生2年生の大学生活を遊びに使ってきたので、3回生になって、少しでも友人関係を広めたいっていうのもあるし、将来を見つめた感じで、ちょっと社会に出て勉強してみたいなと思って。今回これはきっかけかなと思って参加してみた感じです。
コタニガワ: 私も編入生なんですけど、短大のとき私はもうほんとにもうびっくりするくらい課題とか頑張らなくて、本当に遊びすぎてて。だから大学に編入したら、生まれ変わって頑張ろうって思ったんですよ。ちょうど何かやりたいなって思ってたときにお話ししてくれたんで、もうやるしかないって感じでした。
編: スペースデザインのお話になりますが、今回みなさんは、5人で一つの空間をデザインされてますよね。互いに個性の強い皆さんの意見をどういう風にまとめていったのでしょうか?
フクイ: スペースの会議の中で、「次までにこういう案を出してきて」という風にで、一つの方向性みたいなものに沿って課題が出るんです。ヨシダさんを中心にみんなで決めた課題なんですけど。そうやって毎回少しずつ影響し合いながら家で課題をやって、またみんなに見せるんです。するとそのプランに対してみんながいろいろ問題を指摘してくれたりいい部分を伸ばしたりしてくれるという感じです。そうやっているうちにプランのいい部分がくっついていって…。
ヨシダ: メンバーのみんながいつもどうやって空間を作っていくかは分からないんですけど、私が4年間勉強してきたやり方は、まずアイデアを一杯出して、そのアイデアのいい所を全部寄せて、一個のプランにしていくっていうものだったので、それをそのままやってみました。
みんなが出してきた案を見たら、それぞれに思うことがあると思うんです。それをみんなで話しあって、ここはこうした方がいいんじゃないかっていう意見とかを出して、どんどんアイデアを成長させていくという感じです。
編: 終盤は設置の実験と検証を繰り返しされたそうですが、プランニングしたものを実際にかたちにしていく過程はどうでしたか?
ヨシダ: 私はもう泣きそうなくらい怖かったです。日々不安でした。
コタニガワ: 大学と違って、カフェでは壁に穴開けちゃいけないとか言われるっていうのが…。
フクイ: あー、制限されるのがびっくりしました。
コタニガワ: 空間で使ってたあの和紙も、当初はもっと葉っぱとかリアルな形でやるつもりだったんです。図面でもそうなってたし。だけど、実際作っていきながら、それは不可能だって気付いたんですよ。加工が細かすぎて。
ニシノ: 引いてみると汚く見えるんです。
コタニガワ: そうそう、ゴミがついてるように見えるんです。そんな時に、じゃあやっぱりこうしようみたいに、行き詰ってしまっても、そこからどうするみたいなのがすごい勉強になりました。
ヨシダ: 何事もそうですけど、大なり小なりアクシデントって起こりますよね。こと展示においては200%の確率で起こるので、それをどうクリアしていくかは、一番の課題です。
私は前回を踏まえての二回目なのでその経験を生かしつつ、今回はスタッフもたくさんいたので、起こってきたアクシデントをみんなで解決することを経験できたのはこれからのチームにとっても大きいことだと思います。
編: では最後に参加して良かったこと・反省していることなど皆さんの「学び」を教えて下さい。
コタニガワ: 私は、最初空間で映像を使いたいと言ってたんですね。だけど会場の制約上映像が使えないことになって、他の仕事をしなきゃならなくなったときに、私それまで映像の方の事ばっかり考えてたんで、展示空間の方の意見があんまりなかったんです。で、どうしようと思って。そんなこともあって3回生の中での意見もまとまってなかったので、一度ヨシダさん抜きで3回生だけで会議をしたんです。いつまでもヨシダさん頼みでやるんじゃなくて、3回生内でもちゃんと意見をまとめようと思って。
私は3回のメンバーの意見はどれも好きでいいなって思っていて、どれも使いたかったから、どうにか3人の意見がうまくまとまらないかなって。自分なりにまとめることをものすごく頑張りました。
ヨシダ: 私それを「これね~この前みんなで集まって決めてきたんですよ~。」って言われたとき泣きそうになりました。
コタニガワさんは、展示空間で映像が使えないって話になった時に、新しいアイデアを出すって方向じゃなくて、皆が考えたアイデアをうまく編集するほうに力を発揮しようと思ったっていうのがすごいです。スペースメンバーのキーパーソンですね。
もちろんナカツカさん、ニシノくん、フクイさんの素敵なアイデアありきなんですけど。
コタニガワ: あと学んだ事っていうか大変なんだなって思ったのが、ヨシダさんのポジションです。メンバーが5人もいれば、予定が合わない日もあるので、ちゃんとスケジュールを調整して会議の日とかも合わせたりそういうのがヨシダさんは凄いなって。学んだことやとそんな感じですね。
次回挑戦してみたいことは、次は伝紋のマーク自体の展示の仕方をもっと考えたいですね。次回は何か伝紋のマークをおもしろくみせれるような空間・展示のコンセプトを作りたいです。
ナカツカ: うちは皆の意見を聞くだけですごく楽しくて。うちは自分に自信を持っていないので、うちの意見が通らなくてもいいんです。皆の意見が凄い良かったから、とにかく皆で出来ればいいなって思って。
あ、でもconfidence cafeのもともとあった時計を展示の中心にするっていう案が叶ったのはよかったです!!あれだけはどうしてもやりたかったので。
編: 時計を中心にするアイデアはconfidence cafeの方も喜ばれてましたよね。元々自分達が用意してるものを上手く生かしてくれて嬉しいとおっしゃってました。
ナカツカ: 嬉しいです。やってよかったことは、まず話を聞いたときに、大学の外で展覧会を企画するっていう初めてのことを出来てよかったです。
スペースデザインの人と集まってやるっていうのも初めてだったんで、意見もたくさん聞けたし、学んだことはすごいいっぱいあったなって思います。外でやるっていう大変さとか。大学の外で、しかも営業しているcaf驍セと人に迷惑をかけることとか、やったらだめなことは本当にやったらダメだなって思いました。
大学なら一生懸命頼んだり、内緒でこそこそしたり出来たことでも、それをカフェでやって例えば壁が剥がれたりしたら大変なので。そういう意味では考えさせられました。
フクイ: 私はデザイナーにしては考え方がちょっとアーティスティックなんですよ。いつもは空間とかも決め過ぎないで当日その場で動かすことが多かったりするんです。だからカフェで展示するにあたってそういう不確定なことが難しくなったときにどうしよう、自分に何ができるかなって思って、色々案出したりしたけど、でもそれも上手く通らなかったりで。
空間を作り込むのは得意なんですけど、展示物を主役にしてそれを見せるっていうのはあまり向いてないのかなと。作品展示で私の得意なやり方でやると、見かけは綺麗かもしれないけど、実際展示したときにキャプションの文字が見えにくかったりとか、そういう部分で気を使えて無かったなって思いました。
でも、皆と合わせてやっていくこと自体初めての経験だったので、それはそれで楽しいなって思いました。自分の考えに人の意見も取り入れて、それをみんなでやるっていうのは学びですね。
ニシノ: 僕はずっと和紙を使いたくて。今回は和紙を使ってもらってるんですけど、やっぱり紙なので難しいところもあったと思うんですけど、自分が使いたいと思うものが使われてよかったです。
学んだことは皆で展示のスペースを作ってるってことですね。自分の意見だけが通るわけじゃないことはわかってるので、如何に自分の考えたものと、皆の分を1つにまとめるかが一番難しくて一番学んだことだと思います。
反省は、もっと自分の意見を言ったほうがいいときもあったかなと。もっと言えた方が自分的にも将来的にもいいじゃないかなって…毎日思ってます。
あと制作に関しては、僕やっぱりシンプルがすきなんで、派手なものはガンガンやらず、もともと店にあったかのようなものを作る、それが一番です。
ヨシダ: 私は自分に空間として失敗のないというか、人に迷惑をかけない空間を作るというのと、人としっかりコミュニケーションするというのを課題にしてたんですが、空間は前回より安定したものになりました。人とのコミュニケーションにしてもうまくとれたので、それによっていい空間ができた部分もあると思うので成功したと思います。
チームをのまとめ役を経験できたことで、私自身も人として成長できたんじゃないかと思います。次の仕事は、引き継ぎですね。
編: なるほど。皆さん、今日はありがとうございました。
一同: ありがとうございました。
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スペースチームはヨシダさんの「いい空間はいい空間の中から生まれる」という考えのもと毎回素敵な空間のカフェで会議をしていたそうです。そうすることで、インスピレーションも刺激され何より打ち合わせが楽しくなる。スペースチームの仲の良さや強い結束は、こういう小さな工夫に秘密があるのかもしれません。結成して日の浅いチームでも、個人個人がメンバーのことを思いやって仕事をすることで、高いパフォーマンスを生み出すことができると言うことを教えてもらいました。

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