ジャカランダの季節

もう3年にもなる。

2010年6月、乳がんの手術を終えて、伝耕黄色い家に行く道すがら、

一心寺境内に咲いたジャカランダの花を目にした一瞬、

そういえば、わたし、生きている、と思ったのだった。

 

ジャカランダブルーと言われるこの花の色は、梅雨のどんよりした中であきらかに精彩を放ち、

花のつけ方は、藤のようなさがり、ではなく、

鈍い曇天に向かって咲いているのがうれしかった。

 

そう、うれしかった。

「わたしは、誇り高く生きてみせるから」、という気概を感じて。

 

今日、わたしの年若い友人が、同じ病気の手術を経て、退院した。

わたしよりもずっとジャカランダが似合うひと。

 

いままでよりも、人生が美しくなる。

 

きっと、本質がすっと見えるから。

そして、迷いなく歩めるから。

 

ジャカランダの花で視界をいっぱいにして、ふっと、息を吸う。