時間軸

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家を失った母は、2年の間、周辺都市を含め4回引っ越しをしてやっと落ち着いた。

ここでもない、あそこでもないと、放浪した末である。

ライフステージ上、震災当時の住処を永住の地として認識していた人間にはこの回数は辛かったと思う。

自分たちも状況に応じて引っ越ししたから、我が家の分も合わせると、2年間で6回の引っ越し。

荷造りもうまくなったものだ。

 

最初は被災してみんな同じに見えても、それぞれの事情で立ち上がり方やおさまり方が異なってくる。

避難所へのロジスティックスの問題が解消し、最低限、生きるのに困らなくなった時点から、

今後どう生きるか、という問いが、たいした準備もないままに、問われる。

そして、その問いに答えるために個々人が試行錯誤する期間は、数年間続く。

 

たとえば、テレビカメラの前で気丈に見える人は、そう見せないといけないという意識が前に出て、

今はテレビの前でそう振る舞っているのだ、と理解するのが順当だ。

人間はがんばれるが、しかし、その分だけ疲れるのである。

 

仮設住宅ができても、それは仮設なのであるから、とても短い期間で「次から次」を考え、決め続けなくてはならない。

「次」を考え続けることが仕事であり存在理由である経営者や起業家はまだしも、

ほとんどの人はふだんからそういうマインドにはない。

「次から次」に疲れてくる人も多いだろう。

 

食べ物の状況はニュースになりやすいが、食べ物が行き渡るとますます大変な状況になる

トイレのことは報道にふさわしくない内容なので、あまり話にのぼらない。

これは物資だけで解決する話ではないからだ。

トイレに行きたくないから、食べたり飲んだりするのを我慢して、便秘になったり、その他身体が不調になる人も多い。

人間は活動したら眠る、食べたら出す、生きていればさまざまな分泌物を出し続け、がんばると疲れる。

陰陽のバランスがうまく流れるようにすることがとても重要だが、報道のしやすさにおいて、「陽」の話だけが

話題に上りやすく、「陰」のサポートは話題に上りにくいので気になる。

 

「がんばると疲れる、疲れから回復して、またがんばる、そしてまた疲れる...」という、

「次から次」状態が数年間続くという想定して、私にできることは何だろう、とここ数日間考えている。

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