上村松園のサプリ

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まず東京、そして京都で松園の展覧会。

来月、京都で見よう。

 

それにしても、若い頃に見た時には感じなかったが、

感情を皮膚の下に押し込めた女性の美しさをあれほど精緻に描くのは、

表面張力ぎりぎりの湯飲みをもったまま静かに舞い続けるようなものだろう。

40代を越えた頃からは、さぞきつい仕事だったろうと思う。

 

「いつまでも元気に仕事をしたい」、「疲れ知らずでいたい」という、望み。

失われていくエネルギーへの渇望は現代人ならずとも、

仕事に打ち込んでいた彼女ならば当然のことだったろう。

 

ふとしたはずみで、松園が九龍虫という甲虫を「サプリ」として日々呑んでいたことを知る。

10匹の甲虫を日々呑みながら、誰も入室が許されない閉ざされた画室で、美人画の数々を描き続けていた、らしい。

山椒のようにひりりっとする甲虫の後味をエネルギー源として筆を持つその先に、 おびただしい美人が生まれた。

 

「描きたいの。ちなみに、虫だけど、何か?」とまっすぐな目で問われたような気がする。

 

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