お客さまって誰?

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古くて新しい問い。

かつてのメディアのありようによって、情報・サービス・モノを提供する側とそれを選ぶ側が分かれていたのは一昔前の話。

お客さま、というのはあくまでも提供されたものを選ぶ側だった。

ソーシャルメディアのひろがりによって、選ぶ側としての役割しかなかった「お客さま」も情報を提供し始め、情報を提供する側にもなると同時にお金を払う「お客さま=顧客」にもなる。

どこからどこまでが提供する側なのか、どこからどこまでが顧客なのか境界があいまいになってきている。

 

ある顧客が商品やサービスの口コミをして、それをソーシャルメディアのなかで発信すれば、それは情報提供となる。

というわけで、顧客視点という言い方が最近そらぞらしく聞こえる。

情報提供という点で、顧客は送り手・受け手のどちらにもなりうるのに、

受け手の側の方だけにいたかつての顧客像をひきずったまま、

送り手の論理をいまだに(へりくだりつつも実は)押しつけようとする無理くりな感じが、

「顧客視点」ということばの選択に見え隠れしているせいだろうと思う。

 

情報提供する人、モノやサービスを購入する人が同一である可能性が高くなるという前提は、あたりまえながら、

お客様と私が分断されておらず、帯のようにつながっているということ。

それはどこか共同体的なイメージを呼び覚ます。

 

「この瞬間のワタシはモノとサービスを買っているお客様だけど、次の瞬間はそのモノやサービスの情報発信者。さらに、次の瞬間は別のモノやサービスを売るための開発や情報発信のプランナーよ。」

 

ソーシャルメディアはさまざまな役割の使い分けを可能にし、使い分けに長けた人は、その時々での役割に応じてベストな役割演技をするようになる。

その時々で役割演技をすることが当たり前の行動形式になると、さまざまなタッチポイントで受け取る情報についての処理方法もこれまでとは変化するだろう。

つまり購入に際しての意思決定プロセスが送り手・受け手が分断されていた時代とは本質的に変化しているはずである。

この変化と同時に、生まれつつある共同体的な感覚も含めて、探索してみたい気持ちに駆られている。

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