生き霊が闊歩する世界

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といえば、束芋氏。国立国際美術館での展示が9月12日までだったことを思い出し、行く。

天井に展開される団地層のインスタレーション。

このインスタレーションには人は一人も出てこない。

圧倒的な量のモノ、モノ、モノ。

にもかかわらず、この圧倒的な人間臭はなんだろう。

 

そういえば震災の時。

洋服ダンスから飛び出して散乱した洋服、棚という棚から落ちてちらばった膨大なものたちを目の当たりにしたとき、

こんなモノたちを使っていた人間の生き霊が暴れた現場に立ち会う羽目になって迷惑している人になったようなヘンな感触におそわれた。

こんなモノたちを使っていたのは自分自身なんだけど。

頭ではわかっているんだけど、ロジックが破綻してしまったのだ。

震災でもないのに、ロジックを破壊してしまう力がここにもあった。

 

次なるインスタレーションは、団断

貧乏学生昭和なアパートを上からのぞき見しているような視座。

無防備すぎて「あられのない」人がときどき出てくる。

 

そういえば「はまった」インタビューの時、

相手の心の奥底に沈殿しているものに手を触れてしまい、

ねっとり臭くて、手をひっこめる。

おっと、ここは発酵が進んでしまっていた。

仕事とはいえ、ちょっときついなと思う瞬間。

そんな感じを思い出す。

 

吉田修一氏の「悪人」。

新聞連載時の束芋氏による挿絵が小説の連載よりも楽しみだった。

今回、その挿絵群も続き絵で見られる。

この続き絵、「悪人モチーフ鳥獣戯画」として見たのは、きっと私だけではないはず。

 

まだお運びではない方はぜひどうぞ。

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