目のつけどころ・ひきだしどころ:質的調査

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伝えるためには、ひきだし、ひもとき、くみたてる、ことが欠かせないというのが、

伝耕の考え方である(それを楽しく、ラクにやろう、というのが伝耕の提案)。 


人の意見を聞く質的調査では、何も意見や考えのないことから「何かをひきださない」といけない。

ひきだすためには、いろいろなテクニックがある。それは質問の仕方だったり、相づちの打ち方だったり、

問いの組み立てだったり、ある方法(投影法)だったり、何らかの材料・ツール(絵や写真)だったりする。

それは、ひととおり練習して組み立てればよい。  


実は、あまりテキストに書かれていなくて、もっとも難しいのは、「どこに注目してひきだすのか?」という点である。

この「目のつけどころ」がはずれていると、あとでどんなにひもといても、くみたてても、たいした内容を伝えられない。

実はコレ、伝える、ことだけでなく、製品の開発などにも同じことが言える。  


今、テーマが「若い女性のジュエリーのデザイン開発」だとする。 

いきなり、ジュエリー?何で?

機能のよしあしだけで製品が選択される時代は一昔前の話。

今は、必需品のカテゴリーですら情緒面に訴える要素を考慮することが製品開発上の重要ポイントだ。

つまり、どの商品もジュエリーをデザインするときに重視されるような側面を持っていることになる。

でも、開発現場は昨今の不況を反映して、若い人は入社せず機能仕様一筋に製品開発をやってきたおじさんばかり。

さて、どうする?

そんなおじさんたちにも、ジュエリー開発視点を持っていただかなければ、売れる商品は作れない。

お客さんに聞いてみる調査をやってみよう。でも調査もうまく使わなきゃね。


さて、話を戻して。

たいしてジュエリーなるものを持っていない若い女性のジュエリーの好みをひきだすにはどうしたらいいのだろう?

今からジュエリーを買おうとしている年齢なので、自分で選んだモノを持っていないかもしれないのだから。

この場合、彼女とジュエリーの関わりについては、現状でヒントが非常に少ない状況にある。

 

総じて、もちものには、かなりの部分さまざまな共通した嗜好が反映されている。

が、本人はそれに気づいていないことが多いから、ジュエリーの路線で普通に質問をしても、

デザインの資料として役立つ具体的なイメージが得られることはない。


Q1:「どういうデザインのジュエリーが好きですか?」

A1:「わりとシンプルなものが好き。」

Q2:「シンプルってどんな風に?」と

この路線でプローブしてもあまり具体的な答えは返ってこない。

A2:「えっと、おばさんが持つような派手じゃないやつ。」

ほとんど同義反復になる。

 

「自分の好きなシンプルさ」をすぐさま相手に伝わるように説明できる対象者なんかに巡り会えれば、その対象者は非常に高い描写能力が求められる職業についているに違いない。

そんなケースはごくまれ、というか、そんな対象者は今までおられませんでした。 


聞き取りがここで終わってしまえば、「どんなシンプル?」の説明がもやもやしているから、好まれるデザインについての調査結果も「シンプル」としか書きようがなく、

また、結果を報告する際も、クライアントさんである聞き手が「シンプル」に対して勝手に抱く心象と照合しつつ報告することは不可能なので、伝達に齟齬が起きる。

なんか、個々人得手勝手なイメージの「シンプルなるもののお化け」を軸に「若い女性のためのジュエリーデザインプロジェクト」が動いてしまう、かもしれない。

そんな調査結果なら無駄。だから、調査なんかいらない。

仰せの通りである。 


必要とされる調査結果を得るためには、調査の現場で、「どんなシンプルさなのか」、という具体例を拾って持って帰らなくてはならない。ことばだけで不可能だと思えば写真で。 

であれば、どうする?



まずは、

「対象者を観察する。」

観察テーマは、彼女の言うシンプルさはカテゴリーを超えて、どのような持ち物に反映されているのか?である。

で、目のつけどころを決める。


もしかしたら、彼女の携帯電話のデコレーション具合が目のつけどころかも。

一昔ならば、ジュエリーと腕時計の関連はよく言われていたことであるが、彼女は時計もしてないその線は使えない。

ジュエリーと携帯電話は製品カテゴリーが異なるから、関連していない可能性もあるが、小さくて身につけていて、さほど安価ではないカテゴリーであるという点は共通するので、

どこか類似点があるかもしれない。 


このあたりの目のつけどころ、なんというか、タケノコ掘りや松茸狩りのようなモノに近い。パターンを見出して、観察して、目をつけたら掘ってみるしかない。 

Q3:「その携帯電話に、なんかキラキラがついてるよね。それって、好きなシンプルさと関係がある?」と突っ込めば、

A3:「携帯電話だけだと、あっさりしすぎる。ストラップだとなんだがちゃらちゃら動いてダサくてしつこい。これぐらいのキラキラならば、ちょっと女の子っぽいし、透明感のある色できつすぎないし、シンプルでかわいいかなと思って。」

Q4:「じゃあ、それは好きなデザインのジュエリーのシンプルさと似てる?」

A4:「あ、そうそう。そうかも。」

Q5:「シンプルって、単に何もないだけじゃなくて、こういうかわいさや、色の淡さも必要なの?」

A5:「うん、何にもないのは、シンプルすぎて面白くない。」

という感じになれば、携帯電話のキラキラは、タケノコが芽を出している上の土の微妙なふくらみであって、

それを試しに掘ってみた結果、幸いにも当たっていた、ということになる。


さらに、

Q6:「じゃあ、その携帯電話、写真に撮っていい?」

A6:「あ、いいですよ」

この携帯電話の写真に彼女のコメントをつけて(どこがどんな風にシンプルか)レポートに貼り付ければ、

単に「シンプルである」以上にシンプルの方向性や程度についての情報がかなり加わって、「シンプルなるもののお化け」はかなり身を潜めるに違いない。 


これとは別に、

Q0-1:「でね、その好きなタイプのジュエリーの感じ、もう少し知りたいんだけど、それがありそうなお店に行ってみない?」とか

Q0-2:「あ、その好きなタイプのジュエリーが載っている雑誌とか持ってる?」

なんていう具体的な問いをして、ビジュアルや出典を記録をしておくと、

「シンプルなジュエリー」の具体例として実のある情報が得られます。 


問題は、「シンプル」と聞いた時点で、さまざまなとっかかりについてインタビュアーにハンティングさせる調査状況にあるかどうか。

ところが、フォーカスグループなどが行われる「インタビュールーム」と言われる囲われた施設ではまず無理。

なぜなら、こういう環境でのインタビューには、状況と設計において大きな制限を伴うから。

①手がかり刺激が少ない状況:携帯電話はバッグにしまわれて、さらにマナーモードになっているので、ほとんど取り出されることはない。対象者にとってヒントとなる刺激が少ない。ヒントとなる刺激に個人差があるから統制されたセッティングで行われるという点は、理にかなっているのですけれど。

②行動の柔軟性がない設計:プランニングされていなければ、シンプルさの具体例についてお店で確認したり、自分の購読雑誌のページにあるお好みのジュエリーについて確認することはできない。 バックルームの人が見られなくなっちゃうしね。 

というわけで、「どこに注目してひきだすのか」という点で、上のようなステップを経て得られたヒント(今回のヒントはキーワード「シンプル」)の中身をデザインの方向性が見出せる具体的な例)は、非常に有効だと思うのですけれど。


いや、しかし。

テーマが求めるアウトプットを理解して、柔軟な設計ができるプランナーがいることと、それを実行可能なインタビュアーと、その価値を認めるクライアントと、プロジェクト全体の手間暇コスト、等の問題があるという点は、簡単ではないところが問題といえば問題。

えっと、「その価値を認めるクライアント」以外の上の要素がすべてそろわないゆえに調査はいらない、と言われているのであれば納得ですね。

コストについてはご相談に応じます。

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