手軽だが、秘伝があってコピー不可能で、おいしいもの。
これら三つが揃っていれば、裾野が広いファンが集まる食べ物になるんだろう。
今日は東京に出張。 伊丹の搭乗口17番には会津屋のたこ焼きが期間限定で出店していた。
三拍子そろった結果、70年の歴史をきざむらしい。
15個のたこ焼きについていたパンフレットを読むと、
たこ焼きとは、
ソースをつけない、
手も汚さず、
冷めてもおいしいのが本物です。
とある。
衣に味がついているので、ソースや青のりがいらない。
手だけでなく、口の中もすっきりである。
急いで食べても青のりが歯にくっついたままということもないしね。
四天王寺に住まう大阪人としては、たこ焼きについてウンチクをたれたいところだが、
パチンコ屋とたこ焼き屋がない阪神間のとある地域に育ち、
おやつはたこ焼きではなくデニッシュだったような地域にいたので
そのあたりの味覚がまったく練られていない。
そういえばその頃は、
舶来ものがやたらに偉くて、土着のモノは恥ずかしいものとして扱われていた。
「あそこのフレンチは、パリの○○○よりも美味しくて、食器やインテリアのレベルも高い。」
と言えるようなことが文化的な教養の証と信じる人達が大手を振っていた時代。
70年の歴史のたこ焼きにご縁があったのは二十歳を過ぎてからである。
本当に生き残ろうと思ったら、あぶく銭で手に入れた余所の金持ちのマネをではなく、
残り続けている対象を科学しなきゃね、と。
三拍子以外の勝ち方をしようと思ったら、これが「すごい」ってことにして、表象を刷り込むことだね、パリってすごいね、と 。
つまようじにささったシンプルな丸いたこ焼きの上に呼んでもないのに浮かんできた、フレンチを語った近所のおじさんを思い出してそう思った。

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