今日は大阪日本橋の国立文楽劇場初春公演にゆく。
時代を経ても変わらない人間のドロドロを確認するためである。
能も歌舞伎も私にとっては同じこと。
「ドロドロキレイ」である。
人間のドロドロを芸術まで昇華させてしまう、何というか、その「あざとさ」がまた面白くて年の初めに見に行く。
お天気もよかったので、家から25分ぐらい歩いて文楽劇場へ。
第一部の出し物は
二人禿(ににんかむろ)
彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
壺酒観音霊験記(つぼさかかんのんれいげんき)
親子、男女、主従、敵味方など、
さまざまな組み合わせの人間関係の中で、
カネ、権力、名声、情愛が絡んで、
愛し合ったり、すれ違ったり、殺し合ったりする。
11時からドロドロの中に浸って3時過ぎに劇場から出ると、
お世辞にも清浄とはほど遠い日本橋の風景が清々しく見えるから不思議だ。
一生懸命、年明け早々泥を塗ってみたのに、いつのまにか、泥がなくなってすっきり。
「初春こころの泥パック」なのね。
私も含めて、こういう古典芸能が好きな人は、見た目はどうあれ、結構、「業のきつい」ひとなんだろうとおもう。
しかし、やはりというか、恐れていたとおり、老眼がさらに進んでいた。
人形の着物の紋がぶれて見えるし、表情なんか全く見えない。
だめだ、レンズを変えよう。
敵見違え
老眼くやし
佐五平逝く
同情するも
かすんでみえず
「彦山権現誓助剣」では、非業の死をとげた剣術指南役の主君の孫を連れた佐五平が、その老眼ゆえ敵を見誤り、剣術の技も無為に騙し討ちに倒れる。
傷を負って、「老眼故に残念残念」と悔しがる場面があるが、それを見ている私は、人ごとではないわけですね。
ああ年女。
コメントする