水曜テーマ:⑥たぶん誰も書かなかった市場調査

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第6話:調査の歌 その1 回答精度について

調査についていろいろ書いてきましたが、年末なので、ちょっと軽めに。トピックを戯れ歌にしてみました。

調査の質を問うこと。これは重要なことですが、証明が難しいので無視されなのも真実です。一口食べただけではわかりにくい、ダシの良さと同じなのかもしれません。本当は差があるのだけれど、ぱっと見にはわかりにくい部分なのでしょう。

「チョーてきとー」に回答してしまう「惰性回答」、数量で把握できるデータを持っていないので仮説の域を越えないですが、個人的にはネット調査の大きな問題、だと思います。

 

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「惰性回答」

ネット調査の

宿命なれど

引き返せぬと

みな知らんぷり

 

 

質問がネットではなく、紙で行われていることが主流だったころ、よく質問紙自体(原票)のチェックをすることがありました。回答者が質問紙に書いたり、○をしている状況をじかに見なくても、回収された質問紙をみていると、書かれた○の感じや、回答された字を前後と見比べたりすれば、その人がどのぐらい真剣に回答してくれているか、だいたい想像がつきます。学校の先生もそうやって、テストを採点していたりしますよね。テストじゃないけど、基本は同じこと。

似たようなつまらない質問が延々と続いて回答していると、回答すること自体が惰性に流されてくる。5段階の選択肢ならば、何も考えずに、まんなかの「どちらともいえない」を○することが多くなってきます。「どちらともいえない」じゃなくて、「なにもかんがえていない」というのが、その人にとっての正しい選択肢なんですが、そんなのないですしね。

「惰性回答」は昔からありましたが、その「惰性ぶり」に実査の担当者が直面する機会があるかどうかが重要になりますよね。

ネットでパソコン画面や携帯画面の質問項目に対して回答した場合は、「回答跡=その人なりに考えて答えたかどうかを示す回答の足跡」(ちなみに、これは私の造語)が表れないので、それはすべて一様に処理されてしまいます。担当者が「回答惰性」に直面する機会は、「紙」時代よりもパソコン時代の今、激減しているでしょう。

もちろん、調査結果自体は「回答跡」によって変化するわけはないし、結果を受け取るクライアントさんにとっては紙だろうが、パソコンだろうが、関係ありません。

なので、別に知らんぷりしてやっても調査会社のROIには影響しないでしょうしね。

プランニングする方に、まだプロとしての心意気が残っているならば、パソコン画面では見えないけれど、「惰性の筆跡が表れた回答」にしないようにしなくてはならないわけですが、最近はどうでしょう。

その昔、多すぎる質問を作って調査会社の方にお渡しすると、クライアントの立場ですら、調査会社の経験ある方によく怒られました。「調査全体をダメにするんですか」と。

今も昔も質問数によってチャージが上下することには変わりはないので、むしろ惰性回答が多くても、質問が多い方が、儲かったりもします。

でも、この辺のバランスを絶妙に保つのが、それが専門職たる由縁なのかと。

ただし、お金の魅力と「質の悪い回答跡」の問題をバランスと取ろうにも、ネット調査が多くなると「回答跡」が目に見えなくなってしまうので、難しくなっている。

結果、ずるずると、クライアントが求める質問数をそのまま受け入れる事態を多くしていると思います。

多すぎる質問を作ってお願いすると、きちんと叱ってくれる調査のプロは、はたして生き残っているのでしょうか?

いや、しかし、テクノロジーを応用すればどうなんでしょうね。パソコンや携帯のボタンを押す圧力とか、回答反応速度の平均や分散で、信用できない回答なんかが分別できたりするのでしょうかね。

で、回答自体や回答者自体がふるいにかけられる?

それも怖い話ですが。

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