総中流志向のただ中に幼少期を過ごした。
ピアノ、書道、茶道、クリスチャンであった親の影響で教会の日曜学校等々、身体の弱かった私は文化系お稽古漬けの日々であった。
ピアノは嫌いであったが、辞めると言い出せないまま、バイエル、ツェルニー、ソナチネ、ソナタと無理くり学んだ。
学校が忙しいという理由で辞めた途端、全くピアノに触らなくなり、8年ほどの修練は瞬く間に泡と消えた。
今となってはもう、バイエル下巻の前半でさえ四苦八苦である。
ピアノははじめから遊びとふんでいる娘。
娘のピアノの先生は優しくて、耳で覚えるから音譜は読めなくてもいいとうそぶく(!)娘に 、
まことに気長につきあってくださっている。
そのピアノの先生が、娘にクリスマス曲の楽譜を下さった。
メリー・リトル・クリスマスである。
こんなスカスカの楽譜、初見で弾けなきゃ、
そんなプライド、私にはかけらも残っていない。
えっとー、と、メロディラインを壊しながらたどたどしく弾く。
こざかしいことを考えがちな職業には、
こういう時間を確保して、
考えていることと行動することのギャップを骨身にしみさせることもたいせつなのだ。
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