歳時記を簡略化したものを季寄せというが、それをながめるのが好きだ。
それも風流な目的ではなく、もっぱら夕食の献立に迷った時。
冬の季寄せには、
汁物で、
粕汁、納豆汁、薩摩汁、三平汁、けんちん汁などというスタンダードが並んでおり、
俳句を詠まずとも見ているだけであたたまりそうとうれしくなるし、
鍋では、
石狩鍋、寄鍋、ちり鍋などのおなじみの間に、
牡丹鍋、桜鍋、紅葉鍋なんていうのもある。
牡丹は猪、桜は馬肉の隠語だというのは意識の上にあったが、ああ、そういえば紅葉は鹿肉の隠語であったか、と、
地層に埋もれたような古い記憶をたどる。
薬喰(くすりぐい)というのもあって、
「寒中の鹿を喰うと身体の邪気を払い、血行をよくするとされ、ひそかにこれを賞した」とある。
ちょっとかわいそうだけど効きそう、と喜んでみても、鹿肉は手に入りそうもないし、と思う。
蒸饅頭(むしまんじゅう)、
酒饅頭のふかふか、あつあつしたのは冬ならでは。
押しくら饅頭、
ん?
最近の子供は押しくら饅頭なんかしてるんだろうか。
さて、何にしよう。
そういえば昨日は大根をたくさんいただいたから、
風呂吹(ふろふき)。
「風呂吹の夕餉や帰路の人想ふ 静子」
お酒はもちろん、あらばしり、ですかね。
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