11月9日はベルリンの壁が崩壊して20年だったそうな。
壁が厳然としてあった20数年前、東ヨーロッパを旅行した。
人気のあった西ヨーロッパではなくなぜ東だったのかというと、そのときは西に行くお金がなかったので、仕方なく東にしたのだった。
1ドル札を三つ折りにした束を輪ゴムでくくっておき、困ったらすかさずそれを出してしのいだ東ドイツ。
ハンガリーでは劇場で日本のパスポートを見せたら、みすぼらしい学生なのに、
貴賓席のようなところに座らされてたいそう居心地が悪かった。
ここで手に入れた見事なモーブ色の帽子はブルガリアの空港で盗まれ、
学生の分際で大枚をはたいて買ったヘレンドのアンティークはそれから数年後の阪神大震災でこなごなになった。
そのときに手に入れたものは何一つ残っていないが、あの壁がそこにあった時の空気を知っていることだけが、意味のあることのような気がする。
ふと、もう一度行ってみたい、と思った。
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