ますます老人だらけになり、老人が多くのお金を握る日本で、アンチ・エイジングは最大のマーケティングチャンスのひとつである。そういえば20年ほど前は、おばちゃんとひとくくりにされて何の違和感もなかった40代もアラフォーなんて呼ばれて格上げされ、そうこうするうち、かわいい、なんて呼ばれてもそれほど違和感がない50代セレブも表れた。その他大勢の人々がそれに追従するように動機づけられるしくみが日々細胞分裂するかのようにできあがっていき、情報や商品に形を変えて社会に出回っていく。そのうち、かわいい60代もどんどん表れてくるだろう。
で、「動的平衡(福岡伸一)」より以下抜粋。
全身の細胞が一つの例外もなく、動的な平衡状態にあり、日々、壊され、更新されている。(中略)
私たちにできることはごく限られている。生命現象がその本来の仕組みを滞りなく発揮できるように、十分なエネルギーと栄養を摂り(秩序を壊しつつ再構築するのに細胞は多大なエネルギーと栄養を必要とする)、サスティナビリティを阻害するような人為的な因子やストレスをできるだけ避けることである。
かくして私たちは極めてシンプルな箴言(しんげん)に出会うことになる。それは、アンチ・アンチ・エイジングこそが、エイジングと共存する最も賢いあり方だということである。
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そりゃそうなんだよな、当たり前のことなんだけど。
若くありたい、美しくありたいと貪り求めるありようが、そうあることから遠ざける。
貪り求めることは、よく知られているように、煩悩の一つ。
貪り求め続けることでさらなる貪りの細胞分裂を続け、煩悩を際限なく広げる。その煩悩を「美しく年を重ねる」というようにポジティブなものとラベル付けして購買を刺激する。
消費財であれば、誰を相手にしようが煩悩がらみのテーマをまるで解決できるかのようにきれいに処理したメッセージを、商品やサービスと不可分であるかのように仕立て見せることが、価値創造のはじまりであり、それこそがマーケティングのキホンのキ、なのかもしれない。
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