感情処理速度

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「女性は他者の感情を見るとき、脳内の複数の異なる領域が動員される。人の表情の写真を見せると、女性は左右両脳が活性化され、扁桃体(脳の奥のほうにあるアーモンド形の器官で、情緒を司る)の活動が盛んになる。一方、男性では感情の知覚はたいてい左右どちらかの脳に局所化され、とくに人の声を写真に対応させる必要があるなど作業が複雑になると、右前頭前皮質(皮質は脳の表面を包むひだ状の薄い細胞の層で、学習や分析にかかわる)活動が増す様子がPETスキャンに表れる。これまでの研究で、右脳と左脳をつなぐ神経の束である脳梁は女性のほうが太く、左右の脳の間での情報のやりとりが速いことが明らかになっている。したがって、言語と同様、感情を処理する「ハードウェア」も女性のほうが領域が大きく、男性より効率的な伝達路をもっていると考えられる。このおかげで女性は感情をきわめて迅速に処理できると、研究者らは推測している。」 

Susan Pinker 「The Sexual Paradox:Men,Women,and the Real Gender Gap」より引用

要するに男性は他者の感情を読み取るのは女性よりも苦手で、共感性は低い、というわけだ。

確かに実際の仕事の場面でも、本に書いてあるような、マーケティングに関する様々なフレームを語ることは得意でも、いざお客様の話を聞いて(お客様はロジックではなく感情優先で話す)、その内容を聞いたその場ですぐさま処理して、プランやアイデアに転換することが苦手な人は、経験則だが、「世間的には優秀と言われている」男性に多いような気がする。

共感性については、さまざまな議論があったようで、女性の共感性の高さは社会的な押しつけの結果だとする向きもあるらしい。

ところが今や神経科学や神経内分泌学の分野から共感性に関する新たな情報が蓄積しつつあり、社会的要因の前にある生物的要因として理解できるようになってきた、と。

確かに、「女はすぐ感情的になるから」という侮蔑のコメントを頂戴することは社会的にひとつ「負け」だと認識しがちだった。だからといって鉄面皮を装うのは自然ではない。

「つまりは感情処理が男より速くて効率的ということなのよ」とジャブを入れながら、すばやいアクションプランを出してみるというのが、したたかな方略だろう。

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