時間

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窓を開けると、ベランダが濡れていた。そういえば、さっき雨の音がしていた。

灰色の雲の切れ間から太陽の光が漏れている。

土曜の早朝、窓を開けても車の音が小さい。  

 

家族は寝静まっている。    

 

3週間ほど前、病に倒れたひとが退院するらしい。

とある居酒屋で待ち合わせをしていたが、私は事情があって遅刻した。

一足先に店に着いていたそのひとは病院へ向かい、私はもぬけのからの居酒屋への道を急いでいた。

事情を聞いた私は、もぬけのからの居酒屋で静かに呑んだ。 

 

切れ目なく、重なりなく、ただただ流暢に過ぎてゆくばかりの時間も、

今日は土曜、

時折立ち止まり、ひだのように折り返しながら、たどたどしく丁寧に過ぎてくれる。

すれ違う時間よりも、共にある時間。    

 

家族はまだ寝静まっている。

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