たんなる勢力争いなら、

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サルでもできる。何を?タイトルから続けてもう一度どうぞ。昨日の朝日新聞夕刊「私の09総選挙リーダー論」掲載。霊長類学者の長谷川寿一さんがチンパンジー研究から導き出したそうだ。

チンパンジーは集団内では序列一位の雄がその維持のためにさまざまな術策をこらしている。また、二つの集団があると集団間はいつも敵対しており、場合によっては殺し合いになる。チンパンジーのリーダーの要件は、力で勝つことだ、と。

一方、チンパンジーと比較して、人間が人間らしさを発揮するのは、他の集団との争いを避け、利害を調整し、協働して現状を改善する創造力、強者の暴走を抑え、弱者に目配りすること、だそうな。

この話は選挙の文脈で取り上げられていたのだが、なかなかに含蓄がある。

人間が人間らしさを発揮する「サルとの違い」として列挙された部分は、まだまだ地味な、それこそ「人道的な」行いに見られることが多く、よっぽどでなければ賞賛の対象として大きく取り上げられることはない。むしろ我らの多くはガチンコ勝負に熱狂するし、戦いに勝った英雄を崇める。どんな出来事がマスコミに取り上げられ、扇情的に表現されやすいか、内容を観察・分析すればそれは一目瞭然だろう。人間とサルの違いは現象としてあるにはある。が、違いとして存在する美点を選択的に認識し、他者に伝え、それを相対的に高く評価できるほど、人間は進化していない。

知能指数や成績の高低にあらわれる人間の個体差なんか些細な問題で、実は我らみんな、まだ「人間」になりきっておらず、「半分ぐらいサル」?

「半分ぐらいサル」なら、先ほどの「人道的」とは、これまた言い得て妙な表現があったものだ。 

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