四天王寺

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四天王寺近くに転居してはや5年。夜7時、これまで帰省やなにやかやで行く機会のなかった四天王寺の盂蘭盆会万灯供養に家族で行った。蝋燭を1本700円で2本買い求め、ひとつは先祖代々、もうひとつは60才で他界した義理の母の戒名を記す。蝋燭を5、6本握りしめている人も少なくない。係の人に蝋燭を託して、火を灯してもらう。中心伽藍内には一万本と言われる蝋燭のゆらめく炎と人出のせいで賑々しく暑い。午後7時20分、僧侶がお経を唱えながら蝋燭で囲まれた中心伽藍内を廻る。四天王寺の界隈は寺町なので、お盆の頃は大変な賑わいとなる。近くにお骨佛で有名な一心寺もあり、朝から大層な人出である。この界隈はお寺の数が多く、松屋町筋と谷町筋、上町筋の間にお寺がひしめきあって南北に並んでいる。大阪は京都や奈良よりもお寺の「数」が多いことは、あまり知られていない事実だ。特にお寺が集積している下寺町界隈は、秀吉が西から大阪城に攻め入られたときを想定し、その防壁として寺を配置したのがはじまりらしい。結果として寺町としての賑わいも生んだ。しかし秀吉なら、そんな経済効果も想定済みか。僧侶のあとについて中心伽藍を行道しながらそんなことを考える。最盛期よりは少ない、とささやかれてはいるが、盂蘭盆会の期間中、何万本ともなろう、おびただしい数の蝋燭、屋台、人出、車。そして、人出の中に占める老人の割合の高さ。誰に対して、何を用意し、どうしつらえ、システムとして如何に成り立たせ、継続していくのか、不景気の最中、カタカナ語ばかりのビジネス書が虚ろに見える現実がここにはあった。

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