ライスは黒米を混ぜて炊き、全体を小豆色に仕上げ、牛肉とタマネギ、ナス、トマトで煮たハヤシライスのルーをかける。
さらにトッピング。
みじん切り細青ネギ、ボイルしたミニアスパラとオクラの輪切りを塩こしょうでさっくりあえ、ルーの1/3程度の分量を右寄りに盛り、さらに完熟トマト生と赤パプリカをキューブ上にカットしてのっける。
名付けて五条橋ハヤシライス。
飲料。飲み残しの白ワインをオンザロック、上からスパイス入り梅酒「星子」をそそぎ入れ、厚すぎるくらいの輪切りかぼすをのっけて、フォークを突っ込んでおく(無骨な作りのロックグラスなら、フォークでかぼすの輪切りをつぶしながら飲んでも割れない)。
まあ、 飲料はよしとして、五条橋ハヤシライスって何よ?
コトのはじまりは今朝。とある情報誌を読む。
ナス、トマト、オクラ、パプリカ...、夏の野菜はなぜ色鮮やか?
太陽のエネルギーを貯蔵するとともに、強い日差しから種や実を守るため。
日差しを浴びれば浴びるほど、その色は濃くなって、防御力が強くなるそうな。
ふーん、 あのおいしそうな色、太陽エネルギーを蓄えつつ、日差しからこどもをしっかり守っている証拠なのね。すごいぞ、夏野菜。
「これからの時代は、WIN-WINが基本です。」
なーんて聞かされても右から左にスルー。そんなつまんない台詞よりも、感心な夏野菜たちのことを考えて振る舞おうよ。
カップ底のコーヒーを流し込み、さて、とばかり、新聞に目を移すと、国立文楽劇場「夏休み文楽特別公演」、8/5まで。まずい。来週で終わってしまう。
テレビはなぜかカレーを紹介し始める。間髪入れず、娘が一言、カレーが食べたい、あ、やっぱり、ハヤシライスがいい。そうですか、えっと、カレーじゃなくてハヤシライスね。はいはい。
とにもかくにも、2800円破格プライスで親子チケット引換のできる夏休み文楽特別公演(ありがとう大阪市)、いかねば。母は楽しみにしているのだ。
2週続けて週末返上仕事となれば、ええい、本日休業じゃわい。文楽、行くことにする。
最初の出し物は、牛若丸と弁慶が主従の契りを結ぶ有名なくだり。
まず女性と見紛うばかりに優美で華奢な牛若丸登場。その装束は、「紅」裾濃の御着背長、糸算織の大口に「薄緑」...。
色鮮やかにしてさわやか。最近、街で妙な色柄の浴衣を見過ぎて疲れた目がすっきり。
ほどなく現れた荒ぶる弁慶。鎧は「黒」革...、さしずめブラックのヘビーデューティ。
お手合わせするも、自由自在な牛若丸にさしもの弁慶もたじたじ。ついには弁慶が降参し、牛若丸の家来に。
演目名は「五条橋」。最後のシーンは弁慶がかまえた薙刀の刃の上に牛若丸が立ち(舞台上手側)、それを弁慶が牛若丸ごとかつぎあげるというシーン。
このシーンをハヤシライスにしてみたら?
弁慶はどんと構える「黒」いハヤシライス、牛若丸は、舞台上手側にあたる右に、「薄緑」と「紅」であざやかなトッピングに仕立ててこじんまり置く。
薄緑ぴったりの野菜はなかったので、細切りのネギを小口切りにして濃い緑と根に近い白い部分をよくまぜあわせると、各々が画素のようになって、きれいな薄緑ができた。
これにオクラとアスパラを加えると、なんというか、さらに奥行きのある薄緑になったような。
紅は言うまでもなく、完熟トマトと赤パプリカ。
ハヤシライスと夏野菜(だけじゃないけど)、そして文楽という組み合わせで、作ったらどうなる?
ただそれだけにチャレンジして、作って、食べてみた。
そんな、楽しい休日でした。
あ、そうそう、五条橋ハヤシライス、
娘はおいしい、と言ってくれました。
ちなみに邪道ロックワインの合わせ技は大正解。
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